坐骨神経痛
- もう何年も坐骨神経痛に悩まされている…
- 腰・お尻・足に痛みがある…
- 長時間座っていると足にシビレが出る…
- 歩いていると足の感覚が鈍くなることがある…
- 足の一部分だけ感覚の鈍いところがある…
坐骨神経痛の原因と症状 | スポルト鍼灸整骨院 武蔵小金井店
坐骨神経痛は、なかなか治り難い腰痛疾患というイメージがあるかもしれませんが、正式な病名ではありません。一般的に下肢に出る症状の総称を座骨神経痛と呼び、お尻から下肢の後ろにかけての痛みやシビレなどの症状がみられます。
坐骨神経は末梢神経の1つで、坐骨を通ってお尻の梨状筋から下肢に向かって走る神経です。
末梢神経には運動神経、知覚神経、自律神経の3つがあり、中枢神経と身体の各部分を連絡する神経で、体の動きや温度を感じる伝導路的な役割を担っています。
末梢神経の中でも、坐骨神経は下肢を自由に動かしたり、バランスを取りながら二足歩行するために不可欠な神経です。
神経と言うと、とても繊細で細いというイメージがあるかもしれませんが、坐骨神経は末梢神経の中でも一番太い神経で、ボールペン程の太さがあります。長さも1m程度と体の中で最も長い神経です。
この太くて長い坐骨神経は、膝の辺りから総腓骨神経と脛骨神経の2つに分かれて腰椎から足先までつながっており、何かの障害を受けるとお尻から下肢の後ろ側にかけて痛みやシビレなどの症状が出ます。
痛みの出方にも個人差があり、ズキズキといった表現をする人もいれば、ビリビリやピリピリといった痛みを感じたり、チクチクする、うずくなど様々です。
坐骨神経痛の主な症状
・お尻から足までの痛みやシビレ
・前傾姿勢で痛みが増強する
・お尻が痛くて長時間座っていられない
・長時間立っているのが辛い
・痛みやシビレで体をそらす事ができない
・歩いていると足に痛みが出て歩けなくなる
・歩行時の痛みは休むとまた歩けるようになる
坐骨神経痛の原因疾患
・腰部脊柱管狭窄症
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰椎圧迫骨折
・骨粗鬆症
・腰椎分離症
・腰椎分離すべり症
・脊椎カリエス
・化膿性脊椎炎
これらは一般的にみられる坐骨神経痛の症状や原因として考えられる疾患です。気になる症状があれば、そのまま放置せず、一度検査を受けてみる事をお勧めします。
坐骨神経痛の治療と予防 | スポルト鍼灸整骨院 武蔵小金井店
坐骨神経痛の治療法としては、症状が重い場合は手術療法を行う事もありますが、ほとんどの場合において最初に保存療法が行われます。
以下、保存療法として行われている方法をご紹介します。
●物理療法
温熱療法、マッサージ、低周波電気治療、赤外線治療、マイクロ波などがあり、血行を促進させ痛みを軽減させる目的で行われます。他にも持続牽引によって椎間板の圧力の軽減し、痛みの緩和を目的とする骨盤牽引もあります。
これらは、患者の生活習慣やライフスタイルに合わせて選択されます。
●運動療法
症状の改善目的のほか手術後のリハビリとしても行われる治療法で、運動や体操、ストレッチにより筋肉の緊張緩和と血行促進、疼痛の緩和を目的として行われます。いきなり激しい運動を行うのではなく、徐々に運動負荷を増やしていく事で下肢の筋力アップや腰椎への負担軽減が期待できます。
●装具療法
コルセットなどの装具を使用します。コルセットの使用は腹圧が上がるため、腰椎を固定しやすくなるだけでなく、良い姿勢を保持できるメリットもあります。
長期間の使用は筋力低下の恐れもあるため、1ヶ月程度を目安にした使用が推奨されます。
●薬物療法
主に鎮痛剤などを使って痛みを和らげる療法です。薬物療法で原因の根本的な治療はできませんが、痛みが強いと気持ちも塞ぎがちになり、運動量も激減して筋力低下も引き起こします。痛みの緩和は気持ちも楽になり、活動的になるため、他の方法と併用する場合も多くあります。
●ブロック療法
坐骨神経やその周辺の神経に局所麻酔や抗炎症剤を直接注入する治療法です。
痛みの伝達物質自体を一時的に遮断できるため、強い痛みがある場合には効果的です。
痛みの改善により自律神経の緊張も和らぐので、血行の改善にも役立ちます。
坐骨神経痛の改善にはこれらの治療も重要ですが、日常生活において腰に負担を掛けない姿勢や行動を意識することも大切です。例えば荷物を持ち上げる時には、腰を落として持ち上げるようにしたり、両手で持ったりするなどです。
他にも、歩きにくい靴、脚に合っていない靴を履いていないか見直してみましょう。合わない靴は姿勢が悪くなる原因になります。足への負担が少ない靴を選ぶ事は、姿勢の改善や腰の負担を軽減します。
カバンを持つ時も、片側ばかりに負担が掛からないよう気を付けて下さい。
片方だけに重心が掛かり続けると、バランスを崩し、筋肉の動きも不均等になるため、姿勢を崩す原因につながります。たまに持ち替える、左右に分けて持つなど、工夫してみて下さい。
坐骨神経痛の改善には、禁煙も有効な方法です。
タバコに含まれるニコチンは交感神経優位な状態を作り出します。交感神経が優位になると血管を収縮させ、酸素や栄養が行き届き難くなります。血行不良により栄養が充分に行き届かない状況は椎間板を変形させ、ヘルニアを悪化させる恐れもあります。
禁煙によって血行が改善し、筋肉の緊張やこわばりが解消されることで、坐骨神経痛の痛みの軽減にもつながります。
坐骨神経の痛みは、出来るだけ動きたくないと思う程の辛さ、何かをする気力も無くなる程の辛い痛みです。ただ、動かないと余計に筋力が低下し、症状が更に悪化してしまう恐れもあります。
出来る範囲から日常生活を見直し、座骨神経痛に対する改善、予防を実践しましょう。