自律神経失調症

  • めまい、耳鳴りがよく起こる…
  • 胸が締め付けられるように感じる…
  • 胸がザワザワと高鳴るときがある…
  • 時々、息苦しくなるときがある…
  • 夏でも手足が冷えて冷たい…

自律神経失調症の原因と症状

ぐっすり眠れない、睡眠不足や体の冷えなど、病気とまで言わないけれど、体の調子が優れないと感じる事はありませんか?

自律神経のバランスの変化に伴い、体や心のバランスも乱れて不調が出てくる状態を「自律神経失調症」といいます。

食生活の変化やホルモンの変化、会社や人間関係、家庭のストレスなどの環境の変化は自律神経に影響し、バランスを崩してしまいます。

自律神経の乱れは以下のような症状を引き起こします。

●体の症状

  ・体がだるい
  ・疲れやすくなる
  ・頭痛
  ・便秘や下痢などの胃腸の不調
  ・喉の違和感
  ・動悸
  ・しびれ
  ・ほてり感
  ・手汗がひどくなる
  ・頻尿
  ・残尿感

●心の症状
  ・イライラするようになった
  ・不安感が強い
  ・疎外感
  ・落ち込むようになった
  ・やる気が出ない
  ・憂鬱な気分になる事が多い
  ・感情の起伏がある
  ・あせりを感じる

自律神経失調症の特徴の一つとして、検査をしても体や神経にこれといった異常や問題点が見つからない場合がほとんどです。

自律神経失調症は自律神経の機能自体はしているものの、バランスか崩れているという状態ですので、検査では見つける事が出来ません。

 

 

自律神経には活動時間帯に優位になる交感神経と、就寝時や安静時に優位になる副交感神経の2つがあります。

通常、この2つの神経がバランスよく機能していますが、食生活の乱れや睡眠不足、ストレスといった要因が身体に影響するとバランスが乱れてきます。

自律神経のバランスの乱れはいくつかのパターンがあります。

現代人の場合、ほとんどが交感神経が優位になりすぎて、副交感神経の働きが落ちているのが特徴です。

例えば、通常、夜は副交感神経が優位になる時間帯ですが、嫌な事があって考え事をしていたり、ストレスを抱えている状態だと、体がストレスに耐えられるように交感神経が優位になってしまうのです。

自律神経失調症の症状が出始めてからは生活にも支障が出るようになり、会社に行ったり家事をするのも辛く感じるようになります。場合によっては日常生活や社会生活にも支障をきたし、外出もできなくなります。

自律神経失調症の不調や悩みは周囲から気付かれずらいため、自分一人で思い悩むことも多く、より辛く感じるのも特徴です。

自律神経失調症の改善

自律神経失調症の多くは、ストレスや生活習慣の乱れが原因の場合がほとんどです。

現代人が多く感じているストレスを解消しつつ、同時に生活習慣を見直すことは、自律神経失調症の改善にとても効果的です。

ストレスに関しては、自分自身がリラックスしたり楽しい!と思える時間を増やしてみてください。入浴する、睡眠時間を増やす、軽くストレッチをしてみる、景色を楽しみながら散歩をしてみるといった気軽に始められそうな習慣からはじめてみましょう。

睡眠不足は身体の疲労、ホルモンバランスの乱れが起きやすくなりますので、十分に睡眠をとる事は特に重要です。

睡眠中はリラックス効果のあるメラトニンが分泌されますし、疲労回復の働きをしてくれる成長ホルモンも分泌されます。

規則正しい生活として睡眠と食事、適度な運動を意識してください。

他にも、自律訓練法やマインドフルネス(瞑想)を取り入れているという人もいますので、自分に合った方法を探してみましょう。

 

 

また鍼灸治療による自律神経の調整も有効です。

鍼灸治療では主に副交感神経の働きを高める治療を行います。交感神経を鎮めて副交感神経の働きを改善し、筋肉の緊張緩和や血行促進により症状を改善します。

自律神経失調症では筋肉緊張による体のコリも出やすく、特に首や肩、背中には顕著に出ます。筋肉の凝りは血行不良を引き起こし、手足の末梢循環の低下を引き起こします。血行不良や凝りは他の不調の原因にもなりますので、鍼灸治療で血行を改善し、凝りを取り除くのも治療として効果的です。

鍼灸治療を受けた事がある方は分ると思いますが、血行が促進され身体が軽くなったような感じがして、気分がスッキリします。

体調が改善していくと食欲も増進し、体に必要な栄養も取り入れやすくなりますし、ぐっすり眠れるようになれます。

自律神経失調症に対して身体の調子、そして心を整える目的で鍼灸治療を受けるのも選択肢の一つです。

 

自律神経失調症の鍼灸治療

鍼灸治療は自己免疫力や自然治癒力を高め、体の状態を整えていく治療です。

自律神経失調症には、鍼灸治療を活用してのストレス軽減や自律神経の調整なども有効です。

 

 

疼痛(痛み)緩和・抑制効果

鍼灸治療では、痛みを抑制する疼痛緩和作用があります。

鍼を打つ刺激によって、疼痛(痛み)を抑制する脳内ホルモンが分泌されます。

脳に痛みを伝える神経をブロックする作用で脳に痛みが伝わりにくくなるのです。

この2つの同時作用により、疼痛(痛み)を緩和・抑制する効果があります。

自律神経を整える

鍼灸治療で自律神経のバランスを調整していくと体内で交感神経と副交感神経の切り替えもスムーズに行いやすくなります。

健康状態に関係してくるホルモンバランスや精神状態、睡眠、血圧コントロール、内臓の働きなど、自律神経は体全体に関わってくる機能です。

自律神経を調整していくと徐々に内臓の働きも良くなり、血圧の安定、睡眠の質の向上などの変化を感じるようになります。

筋肉のコリを改善、血行促進

鍼灸治療で刺激を与えながら自律神経を整えると血液やリンパの流れも良くなります。

血行が良くなると筋肉も弛緩していくので首・肩・腰のコリや、筋肉の緊張が原因で起こる偏頭痛の改善も期待できます。

自己免疫力・自然治癒力の向上

鍼灸治療を行うと鍼を打った刺激で血流やリンパ液の流れを促進。

体の巡りも良くなり、体内の新陳代謝も活性化させるのです。

鍼灸治療は、体内の自己免疫力や自然治癒力の働きをよくして、不定愁訴と呼ばれている体の不調の改善や予防ができます。

リラックス効果

鍼灸治療を行うとセロトニンというリラックス効果のある脳内ホルモンが分泌されます。

自律神経のバランスが整えながら緊張やストレスを緩和していく働きもあるのです。

リラックス状態時に分泌される副交感神経が優位になり、精神的な安定にもつながります。

 

《※本記事はスポルト鍼灸整骨院総院長 / 川田英雄(厚生労働大臣認可 : 柔道整復師)が監修しています。》