睡眠障害

  • ベッドに入っても寝付けない…
  • 目が覚めて、そのあと眠れない…
  • 早朝に目が覚める…
  • 午前中なのに眠い…
  • 身体が重だるい…

睡眠障害の原因と症状

睡眠障害とは、睡眠している、しようとしている時に異常が起こる症状です。

うまく眠れない不眠症が代表的ですが、他にも日中にも強い眠気を感じる「過眠症」や、昼夜逆転で体内時計が乱れたり、生活リズムが崩れる「概日リズム睡眠障害」など、様々な睡眠障害があります。

日本人の5人に1人が睡眠問題を抱えていると言われており、60歳以上では約3人に1人が睡眠に問題を抱えています。障害として診断、治療を行っています。

睡眠障害には以下のようなものがあります。

不眠症

なかなか寝付けないといった問題や睡眠維持の問題が長期間続き、日常生活にも支障が出てきます。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が浅かったリ、途中で止まったりします。いびきや呼吸停止の症状を家族に指摘されて気がつく例が多くあります。

睡眠時無呼吸症候群の場合、体重増加による原因が多く、太っていない人でも骨格や加齢の影響により呼吸がしにくくなるという場合もあります。

過眠症

日中に我慢できないほどの眠気を感じ、気がついたら寝てしまっていたという状態になります。

過眠が起きているという場合は慢性的な睡眠不足が原因となる他、ナルコレプシーや特発性過眠症といった疾患や睡眠時無呼吸症候群による睡眠分断が影響している事もあります。

概日リズム睡眠・覚醒障害

適した時間に寝たり、適した時間に起きる事ができないため、日常生活にも支障が出てきます。

不規則な生活が続くと概日リズム睡眠・覚醒障害になりやすい傾向があります。

睡眠時随伴症

睡眠時に異常行動をおこす状態です。悪夢や金縛り、大声を上げる、起き上がって歩くなどの異常行動がみられます。

 

 

睡眠障害のタイプの中でも「不眠症」は代表的ですが、さらに「入眠困難」(横になってから、なかなか眠りに入ることができない)、「中途覚醒」(寝ることが出来ても、深夜に何度も目が覚めてしまう)、「早朝覚醒」(予定していた時刻より早く目が覚めてしまい、再度寝ることができない)、「熟眠障害」(眠りが浅く、質の悪い眠りになる)といったタイプに分けられます。

睡眠障害を発症すると、睡眠不足から日中に集中力の欠落やうたた寝が生じ、学業や仕事に支障を来たすようになります。さらに生活習慣病やうつ病などの精神疾患の発症にもつながることがあります。

不眠の原因には様々な要因がありますが、一例として以下のようなものがあります。

  ・ストレス
  ・うつ病をはじめとた精神疾患
  ・加齢
  ・高血圧
  ・糖尿病
  ・騒音
  ・光
  ・かゆみや痛みを伴う疾患・かゆみや痛みを伴う疾患
  ・薬物治療の副作用

睡眠障害の改善

私たちの体には体内時計と呼ばれる感覚があり、周期は約25時間と考えられています。

夜になると自然に睡眠ホルモンが分泌され、睡眠を助けています。

睡眠ホルモンは夜、または周囲が暗くなると分泌される特徴があり、反対に明るい場所では分泌が止まります。就寝前に暗めの部屋でゆっくり過ごしていると、睡眠ホルモンが適度に分泌される状態になります。

昼間は光を浴びて過ごし、夜、暗くなってから睡眠ホルモンが分泌されるおかげで、睡眠周期のバランスが取れています。

不眠の症状がある場合、多くは長年にわたるって生活習慣や日ごろの生活リズムの影響を受けています。

以下のような要因は睡眠に影響します。

  ・夜に起きて昼間に寝ている昼夜逆転生活
  ・寝るのはいつも深夜12時以降
  ・寝るべき時間帯になっても運動を始めるなど日中同様の活動をしている
  ・寝る前までテレビを見たりパソコン、スマートフォンを見ている事が多い
  ・寝る直前に熱い湯船に入浴している
  ・照明をつけたまま寝る
  ・寝る直前に悩み事など考え事をしてしまう
  ・音楽、ラジオを聞きながら寝る
  ・テレビや映画を観ながら眠る

 

 

生活習慣の中に睡眠の障害になる原因が隠されている事が多く、これらの改善していく事が睡眠障害を改善していくポイントです。

眠る時は暗めの環境にしてください。夕食後の部屋の照明は明るいと感じない程度まで落としましょう。薄暗い方が睡眠ホルモンが分泌されやすくなります。もし、暗すぎると不安に感じる場合は、物がギリギリ確認できる程度の暗さで調整してみましょう。

朝は起きたら部屋のカーテンを空けて日光を浴びる習慣をつけると、朝に睡眠ホルモンの分泌が止まります。

 

体温調整も質の良い睡眠を得るために有効です。人間の体は体温が下がると自然と眠くなる傾向があります。

お風呂を活用する場合は、高めの温度は避け、低めのお風呂にゆっくり入って身体を温めます。入浴後は身体が冷えないうちに床に入る事で徐々に体温を下げ、眠りにつきやすくなります。
ホットミルクなどを飲んで身体を温めてから寝るという方法もおすすめです。

 

一度、睡眠障害になると眠らなくてはいけないという強迫観念に囚われがちです。

ただ、無理に睡眠を得ようとすると、更に眠れなくなる悪循環に陥る事もあります。まずは1晩くらい眠れなくても大丈夫と考えるようにして、こういう事もあるといった具合にあまり深く考えないことです。

「まあいいか」位の考えで睡眠障害の元となる原因を探り、生活習慣を見直してみましょう。

 

睡眠障害の鍼灸治療

鍼灸治療は自己免疫力や自然治癒力を高め、体の状態を整えていく治療です。

睡眠障害には、鍼灸治療を活用してのストレス軽減や自律神経の調整なども有効です。

 

 

疼痛(痛み)緩和・抑制効果

鍼灸治療では、痛みを抑制する疼痛緩和作用があります。

鍼を打つ刺激によって、疼痛(痛み)を抑制する脳内ホルモンが分泌されます。

脳に痛みを伝える神経をブロックする作用で脳に痛みが伝わりにくくなるのです。

この2つの同時作用により、疼痛(痛み)を緩和・抑制する効果があります。

自律神経を整える

鍼灸治療で自律神経のバランスを調整していくと体内で交感神経と副交感神経の切り替えもスムーズに行いやすくなります。

健康状態に関係してくるホルモンバランスや精神状態、睡眠、血圧コントロール、内臓の働きなど、自律神経は体全体に関わってくる機能です。

自律神経を調整していくと徐々に内臓の働きも良くなり、血圧の安定、睡眠の質の向上などの変化を感じるようになります。

筋肉のコリを改善、血行促進

鍼灸治療で刺激を与えながら自律神経を整えると血液やリンパの流れも良くなります。

血行が良くなると筋肉も弛緩していくので首・肩・腰のコリや、筋肉の緊張が原因で起こる偏頭痛の改善も期待できます。

自己免疫力・自然治癒力の向上

鍼灸治療を行うと鍼を打った刺激で血流やリンパ液の流れを促進。

体の巡りも良くなり、体内の新陳代謝も活性化させるのです。

鍼灸治療は、体内の自己免疫力や自然治癒力の働きをよくして、不定愁訴と呼ばれている体の不調の改善や予防ができます。

リラックス効果

鍼灸治療を行うとセロトニンというリラックス効果のある脳内ホルモンが分泌されます。

自律神経のバランスが整えながら緊張やストレスを緩和していく働きもあるのです。

リラックス状態時に分泌される副交感神経が優位になり、精神的な安定にもつながります。

 

《※本記事はスポルト鍼灸整骨院総院長 / 川田英雄(厚生労働大臣認可 : 柔道整復師)が監修しています。》