めまい

  • フラフラする…
  • 目の前が暗くなる…
  • 貧血気味でふらつく…
  • 眼球がピクピク動く…
  • めまいが数日も続く…

めまいの原因と症状

めまいとは、自分が動いていないのに周囲が動いているような感覚に陥る症状で、身体のバランスを保つ機能に問題や障害が起きた時に発生します。

めまいの中でも最も多くみられるのが「回転性めまい」です。

回転性めまいでは、周りの景色がグルグル回っている感覚や、上下左右に揺れているような症状が現れます。症状がひどい場合は、自分自身が立っているのか寝ているのか分からなくなるような事もあります。

これは眼球が反対方向に勝手に動いている眼振状態になっているためで、目を閉じても同様の感覚が続き、強い嘔気・嘔吐を伴います。

めまいの原因には、耳に原因がある場合、脳に原因がある場合、その他生活習慣病などに原因のある場合などがありますが、中でも耳に原因がある場合が最も多いと言われています。

耳の機能は音を聞くだけではなく、身体のバランスを保つ大事な役割もあります。

身体のバランス感覚とは、内耳の前庭器が身体の回転や移動を感じとり、脳が姿勢を平衡に保とうとする感覚です。

このようなバランス感覚を司る内耳の器官に障害が起きるとめまいを生じます。

 

 

耳に原因がある場合のめまいの中で多いと言われているのが「良性発作性頭位めまい症」で、これは内耳の前庭にある耳石が剥がれて三半規管に入り込み、剥がれた耳石が移動することで起こります。

三半規管は身体のバランスを保つ役割もあるため、頭を動かすと剥がれた耳石が動いて激しいめまいと吐き気を伴います。安静にしていると症状は落ち着きますが、治ったと思っても頭を動かすと再び症状が出てきます。

改善してからはすぐに活動しようとはせず、徐々に様子を見ながら動くようにしてください。

良性発作性頭位めまい症の治療には、飲み薬による治療や耳石を三半規管から取り除く体操を行うリハビリなどがあります。

他にめまいが出る疾患として知られているのが「メニエール病」です。

内耳にある内リンパ液が増加して神経を圧迫し、めまいや耳鳴り、難聴などの症状が出ます。

めまいは30分~数時間程度続き、難聴や耳の閉塞感、耳鳴り、吐き気や嘔吐、冷や汗、脈が速くなるなどの症状を伴います。

めまいが起きた場合は横になって安静を保ち、冷たいタオルで目元をクールダウンさせるのも良いでしょう。

治療法としては主にめまい止めや利尿剤が使われますが、症状によっては抗生物質を使用したり手術をお勧めされる場合もあります。

 

めまいの対策

めまいの原因には、ストレスや寝不足、疲労なども関係していると考えられています。

めまいの発生に大きく関わっている三半規管は、ストレスの影響を受けやすく、過敏に反応する器官です。

メニエール病でも精神的疲労や肉体的疲労、睡眠不足などのストレスが多い人に起こりやすい傾向があると言われています。

他にも、温度変化が大きくなる季節の変わり目にもめまいが起きやすい傾向があります。

生活面では栄養バランスのとれた食事を心がけ、適度な運動やストレッチ、気分転換をする、早めに就寝して睡眠を十分にとるとなど、規則正しい生活を送りましょう。

 

 

もし、めまいが起こった時は、可能であれば横になって安静にして下さい。激しいめまいの時は立っていると転倒する恐れもありますので、できるだけ頭の位置を低くします。

脱水が原因でめまいが起きている場合もありますので、十分に水分を摂取し、部屋を暗くして静かに過ごして下さい。

めまいは繰り返し発生したり再発するケースが多く、物が二重に見えたり、手足がしびれるような場合は脳梗塞などの疑いもありますので、一度は医療機関を受診して検査を受けるようにして下さい。

めまいの鍼灸治療

鍼灸治療は自己免疫力や自然治癒力を高め、体の状態を整えていく治療です。

めまいには、鍼灸治療を活用してのストレス軽減や自律神経の調整なども有効です。

 

 

疼痛(痛み)緩和・抑制効果

鍼灸治療では、痛みを抑制する疼痛緩和作用があります。

鍼を打つ刺激によって、疼痛(痛み)を抑制する脳内ホルモンが分泌されます。

脳に痛みを伝える神経をブロックする作用で脳に痛みが伝わりにくくなるのです。

この2つの同時作用により、疼痛(痛み)を緩和・抑制する効果があります。

自律神経を整える

鍼灸治療で自律神経のバランスを調整していくと体内で交感神経と副交感神経の切り替えもスムーズに行いやすくなります。

健康状態に関係してくるホルモンバランスや精神状態、睡眠、血圧コントロール、内臓の働きなど、自律神経は体全体に関わってくる機能です。

自律神経を調整していくと徐々に内臓の働きも良くなり、血圧の安定、睡眠の質の向上などの変化を感じるようになります。

筋肉のコリを改善、血行促進

鍼灸治療で刺激を与えながら自律神経を整えると血液やリンパの流れも良くなります。

血行が良くなると筋肉も弛緩していくので首・肩・腰のコリや、筋肉の緊張が原因で起こる偏頭痛の改善も期待できます。

自己免疫力・自然治癒力の向上

鍼灸治療を行うと鍼を打った刺激で血流やリンパ液の流れを促進。

体の巡りも良くなり、体内の新陳代謝も活性化させるのです。

鍼灸治療は、体内の自己免疫力や自然治癒力の働きをよくして、不定愁訴と呼ばれている体の不調の改善や予防ができます。

リラックス効果

鍼灸治療を行うとセロトニンというリラックス効果のある脳内ホルモンが分泌されます。

自律神経のバランスが整えながら緊張やストレスを緩和していく働きもあるのです。

リラックス状態時に分泌される副交感神経が優位になり、精神的な安定にもつながります。

 

《※本記事はスポルト鍼灸整骨院総院長 / 川田英雄(厚生労働大臣認可 : 柔道整復師)が監修しています。》